長尾顕長拵え「山姥切長義 やまんばぎりちょうぎ」
この刀が、この度、生み出された「山姥切長義(やまんばぎりちょうぎ)」の模造刀です。
貴女は思うでしょうか。
「山姥切」であるのか、ないのか。
「本作」であるのか、そうでないのか。
そのはっきりと映し出されない、危うい姿が、刀として鼓動を鳴らし始めました。
まるで深海の奥底から、地上の光を求めて、のぼってきた龍のような。
そんな切なくも、健気な想いが見え隠れする、「長義」の刀。
望むのは天上界でなく、ただ地上界のここでいい…。
ロイヤルブルーの下げ緒に、高貴・風格・壮麗を花言葉とする牡丹の柄模様。
洗練された姿を持ちながら、多くを望まないのは。
今まで、深い闇の奥底に沈んでいたからでしょうか。
彼らは、対の刀。
いや、そうじゃない。
ほら、こんなに似ている。
いや、似ていない。
どんなに、なんと言われようとも。
「山姥切長義」は「山姥切長義」で。
「山姥切国広」は「山姥切国広」でしかない。
ただ少し、「山姥切長義」が、新しく登場した分、貴女の心を占めたいだけ。
全長約105㎝、重さ約1180gの、その存在。
姿勢よく、鍛えられたその姿は、なんとも凛々しく勇ましい刀の姿。
新時代を生き抜くために、そばで守っていてほしくなる、頼もしい一振です。
刀職人が「山姥切長義」という姿に想いを馳せながら作った、「山姥切長義」なら。
その刀以外のなにものでもない。
ただここにあることを、貴女の手の中で喜んでほしい…。
崩さないきちっとした笑顔の奥に、ほのかな優しさを密かに宿す。
それでも、甘えてこないのは、
この刀が、「山姥切長義」だから。